日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第47回日本植物生理学会年会講演要旨集
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サツマイモ体内からのエンドファイトnifH遺伝子の検出
*大脇 良成寺門 純子山川 博幹田中 福代米山 忠克藤原 伸介
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p. 587

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抄録
これまでに、圃場で生育したサツマイモの窒素集積量の最大30%程度が窒素固定に由来することを報告した。本報告では、サツマイモに感染しているエンドファイト窒素固定菌のnifH遺伝子をPCRにより増幅し、その塩基配列の解析を行った。
中央農業総合研究センター圃場で栽培したサツマイモより、葉、葉柄、茎、塊根を採取し、DNAおよびRNAを抽出した。2組のディジェネレートプライマーによるnested PCRによりnifH遺伝子断片を増幅し、既報の細菌のnifH遺伝子との相同性を検索した結果、葉柄のDNAからはBradyrhizobium japonicumPaenibacillus azotofixans、茎のDNAからはAnabaena variabilisHerbaspirillum seropedicaeAnabaena 7120、Nostoc commune、また塊根のDNAからはRhizobium leguminosarumB.japonicumnifH遺伝子と高い相同性を示す遺伝子断片が得られた。また茎ではBradyrhizobium sp. および未分離の窒素固定菌、塊根では未分離の窒素固定菌と高い相同性を示す遺伝子断片の発現が認められた。これらのことから、サツマイモ体内には複数の窒素固定細菌が感染しており、植物の各部位で菌の種類が異なることが示唆された。
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© 2006 日本植物生理学会
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