日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第47回日本植物生理学会年会講演要旨集
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シロイヌナズナ花茎伸長欠損acaulis1表現型の温度・窒素依存的回復
*鎌田 直子鈴木 光宏米田 好文
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p. 623

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抄録
acaulis1acl1)変異体は、花茎伸長に顕著な異常を示す変異体のスクリーニングにより単離された。 acl1表現型の特徴として花茎が短い他に、葉が縮れ、ロゼットが小さくなり、花茎伸長に応じて花数が減るということがあげられる。acl1表現型はオーキシン、ジベレリン、ブラシノステロイドなどの植物ホルモン投与では回復しないが、高温(28度)で育てると回復することが知られている。acl1変異体の花茎では細胞長が短くなっており、これが花茎の伸長欠損の原因の一つと考えられる。とくに強い表現型を示すacl1-1では孔辺細胞や維管束部分の細胞分化が不十分であった。またacl1変異体では花茎の伸長欠損に伴いカロースの異所的蓄積も観察された。温度によるacl1表現型の回復以外にも、培地にNH4NO3を加えることでロゼットが大きくなるなど、部分的にではあるが表現型が回復することもわかった。強い表現型を示すacl1-1, 弱い表現型を示すacl1-3はともに野生型に対して劣性の変異形質である。現在、4番染色体上に存在するACL1遺伝子の同定をマッピングにより行っている。
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© 2006 日本植物生理学会
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