日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第47回日本植物生理学会年会講演要旨集
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アオミドロにおけるセルロース微繊維配向の表層微小管による制御
*吉田 勝久堀川 祥生伊東 隆夫新免 輝男
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p. 672

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抄録
植物細胞の形態制御には細胞壁中のセルロース微繊維の配向が重要であり、その配向の制御には表層微小管が関与していることが様々な研究により示唆されている。
アオミドロは円筒状の細胞が横一列に連なった糸状の藻体を持っている。いくつかの種類のアオミドロは、藻体の末端において仮根と呼ばれる棒状や放射状の付着器を形成することで、基質に付着する。仮根は藻体の末端に位置する細胞が伸長と分岐をくり返すことで形成される。これまでの研究において、我々は微小管の蛍光免疫染色および微小管重合阻害剤による解析によって、微小管が仮根の形態形成に重要な役割を担っていることを明らかにした。
ある程度まで伸長した仮根に微小管重合阻害剤を処理すると先端部のみが丸く膨れた形状となった。また、同様にセルロース合成阻害剤で処理することで仮根の先端部が破裂し仮根細胞が死ぬことも分かった。これらの解析結果は、仮根最先端部分におけるセルロース合成と、その配向制御が仮根の形態形成に必須であることを示唆している。さらに、FE-SEMを用いたセルロース微繊維の直接的な解析を試みた。アオミドロの表層微小管がセルロース微繊維配向に対しどのように関わっているかについて考察する。
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© 2006 日本植物生理学会
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