抄録
TMBP200はシロイヌナズナMOR1/GEM1のタバコBY-2細胞におけるホモログである。MOR1/GEM1は、細胞質分裂において重要な役割を果たすと考えられているが、その詳細は明らかにされていない。我々はTMBP200の機能ドメインとその細胞分裂における役割を明らかにすることを目指して、TMBP200の様々な部分断片とGFPの融合ポリペプチドをBY-2細胞内で発現させることを試みている。これまでに、いくつかの部分断片とGFPとの融合タンパク質を発現するBY-2細胞を作出し、それらのうちのいくつかでGFP-TMBP200部分ペプチドの発現による細胞分裂の阻害が認められたが、その頻度は低かった。今回は、TMBP200の全長とGFPの融合ポリペプチドを誘導発現するBY-2細胞を作出したので報告する。GFP-TMBP200は、間期の細胞では細胞質全体と、一部の細胞では表層微小管様の構造上に分布し、分裂期の細胞では、紡錘体とフラグモプラストに分布した。また、GFP-TMBP200の誘導発現により、高頻度で多核細胞が出現した。現在、この多核細胞出現の仕組みについて検討を行っている。