日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第47回日本植物生理学会年会講演要旨集
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イネペプチド鎖伸長因子EF-1γの機能
*助川 絵理江尻 愼一郎木藤 新一郎
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p. 681

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抄録
真核生物のペプチド鎖伸長因子EF-1(Elongation Factor-1)は、異なる4つのサブユニット(α、β、β’、γ)から構成されている。α、β、β’サブユニットに関しては機能解明が進んでいるが、γサブユニットに関してはペプチド鎖伸長反応における機能が未だ不明である。そこで本研究では、酵母Two-hybridシステムを用いて、γサブユニット(EF-1γ)と他のEF-1サブユニット間の結合解析を行うと共に、新規EF-1γ相互作用因子の同定を試みた。
EF-1γと他のサブユニット間の結合を解析した結果、EF-1γは、αおよびβとの結合以外にγ同士で結合する能力を有することが明らかとなった。この結果は、EF-1γがホモダイマーを形成することを示唆しており、EF-1のサブユニット構成を考える上で非常に興味深い。また、EF-1γをベイトに酵母Two-hybridシステムでライブラリーをスクリーニングした結果、EF-1γの結合候補因子としてribosomal protein L30が新たに得られた。当該因子が擬陽性で無いことは、大腸菌で作成したタンパク質を用いたin vitroでのカラム結合解析で確認した。ribosomal protein L30は、タンパク質生合成の場であるリボソームの構成サブユニットであり、EF-1γの機能を考える上で興味深い。本発表では、得られた結果を報告しEF-1γの機能について考察する。
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© 2006 日本植物生理学会
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