日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第47回日本植物生理学会年会講演要旨集
会議情報

種子貯蔵タンパク質の輸送異常を示すシロイヌナズナ変異体の分類
*高橋 英之嶋田 知生西村 いくこ
著者情報
会議録・要旨集 フリー

p. 690

詳細
抄録
種子貯蔵タンパク質は登熟期に小胞体で前駆体として合成され,小胞輸送によりタンパク質蓄積型液胞に運ばれた後,プロセシングを受けて成熟型になる.貯蔵タンパク質の生合成・輸送機構を明らかにする目的で,私達は,種子に貯蔵タンパク質の前駆体を異常蓄積するシロイヌナズナ変異体を選抜した.得られた7種類の変異体について,乾燥種子の免疫電子顕微鏡観察と前駆体タンパク質の蓄積パターンの解析を行った結果,これらの変異体は2つのタイプに分けることが出来た.タイプ1変異体(atvsr1mag1)では貯蔵タンパク質の一部が細胞外に分泌されていた.AtVSR1は貯蔵タンパク質の選別輸送レセプターである.MAG1はVPS29のホモログであることからAtVSR1のリサイクルに関与すると考えられる.これらの変異体種子は,pro2S albuminよりpro12S globulinを多量に蓄積していた.これとは対照的に,タイプ2変異体(mag2,A01,A08,A10,A12)はpro2S albuminを多く蓄積していた.これらの変異体の種子細胞には,貯蔵タンパク質から成る新規構造体が発達していた.この新規構造体は,ゴルジ体非依存的な輸送を担っているPAC小胞に類似していた.以上の結果を基に, 12S globulinと2S albuminのタンパク質蓄積型液胞への輸送機構を考察する.
著者関連情報
© 2006 日本植物生理学会
前の記事 次の記事
feedback
Top