2020 年 76 巻 2 号 p. I_283-I_288
気候変動と都市化がもたらす社会及び健康への影響を緩和し適応するために熱リスク評価が必要である.
そこで,本研究では,気象数値シミュレーションによって再現された温熱環境と,混雑状況をモニタリングしたビッグデータを融合し,消費者の総熱リスクを評価する新しい手法を提案した.具体的には,(1)街区の温熱環境(=ハザード),(2)移動に要する時間(=曝露量),(3)店舗利用人数(=脆弱性)に基づき,ハザードと曝露量から個人の熱リスクを,脆弱性から人口集積リスクを定義した.さらに,個人の熱リスクと人口集積リスクを用いて消費者の総熱リスクを定義し,温熱環境と人口集積を考慮した熱リスク指標とした.この指標を用いた結果,ATMでは,消費者の総熱リスクは個人の熱リスクに依存しやすいことが分かった.