日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第47回日本植物生理学会年会講演要旨集
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サツマイモ培養細胞のクロロゲン酸生合成に関与する2つのフェニルプロパノイド経路とその意義
市川 佳伸林 健一野川 優洋小島 峯雄*野末 雅之
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p. 699

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抄録
近年、フェニルプロパノイドの3位水酸化がp-クマル酸エステルを基質として行われることが明らかとなり、その下流に続くリグニン前駆体(モノリグノール)の供給経路が確立された。この発見により、カフェ酸エステル(クロロゲン酸)がリグニン生合成の中間体として決定的に重要なものとなった。一方、モノリグノール供給経路とは異なる水酸化ケイ皮酸エステル生合成経路の存在が、以前からサツマイモのクロロゲンやシロイヌナズナのシナピン酸エステル生合成で指摘されてきた。モノリグノール生合成では水酸化ケイ皮酸のCoAチオエステルが後者ではグルコースエステルが基質となり、それぞれ異なるアシルトランスフェラーゼが関与する。今回、水酸化ケイ皮酸エステル生合成におけるこれら2つのフェニルプロパノイド経路の関係を明らかにする目的でサツマイモ培養細胞を用いて検討した。同培養細胞では、両アシルトランスフェラーゼが関係し、両経路によりクロロゲン酸がそれぞれ生合成されると考えられる。クロロゲン酸生合成に関わる両経路の酵素系とそれら化合物群の細胞内局在性と諸性質とを調べ、1)モノリグノール生合成は細胞質ゾルに、グルコースエステルを基質とするクロロゲン酸生合成は液胞に局在し、2)グルコースエステルを中間体とする経路の3位水酸化はポリフェノールオキシダーゼが関与することを明らかにした。それらの結果に基づき両経路の意義を考察する。
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© 2006 日本植物生理学会
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