日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第47回日本植物生理学会年会講演要旨集
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クマリン類縁体生合成に関与するメチル化酵素
*甲斐 光輔清水 文一川村 直裕山口 晃水谷 正治坂田 完三
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p. 700

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抄録
クマリン類縁体は植物界に広く存在し、抗菌活性や抗酸化活性などの作用が報告されている。クマリン類縁体は、フェニルプロパノイド経路から生合成されると考えられているが、詳細は不明な点が多い。本研究は、クマリン類縁体の生合成経路および生合成酵素を明らかにすることを目的としている。演者らは、クマリン類縁体であるスコポレチンおよびそのグルコース配糖体、スコポリンがシロイヌナズナに存在すること、特に根において高いレベルで蓄積していることを明らかにした。シロイヌナズナを用いてスコポレチン、スコポリンの 6 位のメトキシ基の形成に関与するメチル化酵素に関して新たな知見が得られたので報告する。
フェニルプロパノイド経路のカフェー酸 CoA エステルメチル化酵素 (CCoAOMT) の中で最も発現量の高い CCoAOMT1 (At4g34050) の T-DNA 挿入変異株の根を分析した。その結果、スコポレチンおよびスコポリンの蓄積量は野生株の約 15% であった。また、野生株では微量であった 6 位の水酸基がメチル化されていないクマリン類縁体、エスクレチンおよびそのグルコース配糖体、エスクリン、シコリインの蓄積量が約 25 倍に増加していた。以上よりスコポレチンおよびスコポリンの生合成は CCoAOMT に強く依存していることが分かった。また、CCoAOMT1 を欠損させることでそれより上流からエスクレチン、エスクリン、シコリインを生合成する流れが生じることが確認された。
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© 2006 日本植物生理学会
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