抄録
シロイヌナズナのゲノムにコードされる全タンパクのうち、約4割は膜貫通ドメインを有する。その中には、物質輸送を直接あるいは間接的に制御する膜タンパクが多く含まれていると予測されているが、機能は未だに明らかにされていない。本研究では、硫黄同化に関わる機能未知の膜タンパク質の機能解析を行った。硫黄欠乏ストレス処理を行ったシロイヌナズナの根を用いたマイクロアレイ解析後、ARAMEMNONデータベース(http://aramemnon.botanik.uni-koeln.de./)を用いた検索を行うことにより、硫黄欠乏ストレスによって発現が誘導され、膜貫通領域を有するタンパク質を抽出し、解析を行った。特に、硫酸イオントランスポーター(SULTR)との共発現系を構築した酵母において、硫酸イオンの吸収活性に顕著な変化を引き起こした候補遺伝子については、ノックアウト及び過剰発現形質転換植物を用いて、機能解析を行った。