日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第47回日本植物生理学会年会講演要旨集
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オオムギの液胞膜H+ポンプと(Na+, K+)/H+アンチポーター遺伝子の発現比較
*福田 篤徳中村 敦子田中 喜之
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p. 707

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抄録
液胞膜(Na+, K+)/H+アンチポーターは、2種類のH+ポンプ(V-ATPaseとV-PPase)によって形成された液胞膜を介したpH勾配をエネルギー源として利用し、細胞質に存在するNa+やK+を液胞内に輸送する対向輸送体である。作物の中で耐塩性が高いとされるオオムギでは、根から単離した液胞膜小胞における2種類のH+ポンプ活性やNa+/H+アンチポート活性は、根を高濃度のNaCl処理することによって上昇した。また、これらの活性は、植物ホルモンであるABAや2,4-D処理によっても上昇した。当研究室では、既にオオムギから液胞膜Na+/H+アンチポーター遺伝子を1種類( HvNHX1)、V-ATPase触媒サブユニット遺伝子を1種類( HvVHA-A)、V-PPase遺伝子を2種類( HVP1 HVP10)単離している。これらの遺伝子は、根において高濃度のNaClやマンニトール(高浸透圧)処理によって異なった発現変化を示すが、 HVP1 HvNHX1は同じ様な発現変化を示した。さらに、 HVP1は、ABAや2,4-D処理によっても発現が上昇し、その発現量は HvVHA-A HVP10よりもはるかに大きく、 HvNHX1と同じ様な発現変化を示した。以上のことは、オオムギにおける環境応答において、 HVP1 HvNHX1と協調して重要な働きをしている可能性を示唆している。
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© 2006 日本植物生理学会
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