日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第47回日本植物生理学会年会講演要旨集
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アブラナ科野菜類炭そ病菌に対するシロイヌナズナR遺伝子の探索と防御応答機構の解明
*那須 菜摘女鳴坂 真理久保 康之井内 聖安部 洋小林 正智関 原明篠崎 一雄鳴坂 義弘
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p. 756

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抄録

本研究グループはアブラナ科野菜類炭そ病菌がシロイヌナズナColumbia(Col-0)に感染することを発見した(Narusaka et al., 2004, MPMI)。約40種類のシロイヌナズナのエコタイプを解析した結果、この病原菌に抵抗性を示す11種類のエコタイプを得た。これら抵抗性エコタイプは、炭そ病菌の攻撃に対して活性酸素の発生および過敏感細胞死を示した。次いで、炭そ病菌に対するシロイヌナズナR遺伝子を同定することを目的として、数種の抵抗性エコタイプと感受性エコタイプCol-0を交配し、得られたF2個体を用いて、SSLP法によりマッピングを行った。その結果、Eil-0において、推定R遺伝子は4番染色体に座乗することが示唆された。また、他の抵抗性エコタイプにおいて、4番染色体以外にも推定R遺伝子の存在が示唆された。さらに、アジレントマイクロアレイおよび1.2Kシロイヌナズナ完全長cDNAマイクロアレイを用いて、炭そ病菌に対するシロイヌナズナの感染応答遺伝子の発現解析を行った。本発表では、アブラナ科野菜類炭そ病菌に対するシロイヌナズナR遺伝子の探索の現状と、マイクロアレイ解析により得たデータをもとに、炭そ病菌の攻撃に対するシロイヌナズナの防御応答機構について考察する。

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© 2006 日本植物生理学会
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