日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第47回日本植物生理学会年会講演要旨集
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ジャスモン酸およびエチレン非応答性の傷害誘導性タバコペルオキシダーゼtpoxN1遺伝子のプロモーター解析
*佐々木 克友瀬尾 茂美光原 一朗伊藤 浩之松井 博和大橋 祐子
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p. 757

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抄録

傷害誘導性タバコペルオキシダーゼ、tpoxN1 遺伝子は既知の傷害シグナル分子、ジャスモン酸およびエチレンに非応答性である (Sasaki et al. 2002)。今回、その特異的な傷害応答性機構の解析を目的に、tpoxN1 遺伝子のプロモーター領域 2 kbp およびその 5' 欠失配列を GUS 遺伝子に連結し、形質転換タバコを作成した。これらの形質転換タバコを用いて傷害応答性の解析を行ったところ、ジャスモン酸およびエチレン非依存的な傷害誘導性のエレメント、JEIW (jA- and ethylene- independent wound-responsive cis-element) が tpoxN1 プロモーターの -239/-200 領域に存在することが示された。傷害後の茎から抽出した核タンパク質を用いたゲルシフト解析により、傷害誘導性の核タンパク質が -239/-200 領域内の 14 bp (-229/-215) に配列特異的に結合することが示された。14 bp 内に変異を導入したプロモーターをもつ形質転換タバコでは、傷害応答性の GUS 活性が顕著に減少していた。14 bp 配列は既知の傷害応答性の cis 配列をもたないことから、特異的な傷害応答である、tpoxN1 遺伝子は新規傷害応答性の cis 配列である JEIW に制御されていることが示唆された。

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© 2006 日本植物生理学会
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