日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第47回日本植物生理学会年会講演要旨集
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モデル塩生植物Thellungiella halophilaのメタボローム解析
*太治 輝昭竹田 みぎわ森下 宣彦鈴木 秀幸斉藤 和季柴田 大輔坂田 洋一田中 重雄篠崎 一雄
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p. 819

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抄録

塩生植物Thellungiella halophilaはArabidopsisの近似種でありながら顕著な耐塩性および耐凍性を示す。これまでの研究により、T.halophilaはストレス非存在下においてArabidopsisで知られている様々な非生物ストレスおよび生物ストレス誘導性遺伝子を高発現させていることが明らかとなった。また我々のLC/MS, GC/MS, CE/MSを利用したメタボローム解析により、プロリンをはじめとする既知の適合溶質や抗酸化作用が知られる物質の他、様々な未同定物質がArabidopsisと比較して塩ストレス前後に蓄積していることが明らかとなった。
T.halophilaは中国の山東省で発見されて以来、世界各地でエコタイプが6種類発見されている。これらの塩ストレス耐性を確認した結果、全てのエコタイプが著しい耐塩性を示すことが明らかとなった。そこで今大会においては、これまでに発見されたT.halophilaの6つのエコタイプおよびArabidopsisを代表する2つのエコタイプをメタボローム解析することにより、T.halophilaとArabidopsisの代謝産物の違い、さらにはT.halophilaで共通してみられる耐塩性に重要な代謝産物を抽出することによりT.halophilaの耐塩性メカニズムの解明を試みている。

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© 2006 日本植物生理学会
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