日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第47回日本植物生理学会年会講演要旨集
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オゾン暴露時のシロイヌナズナのサリチル酸蓄積は負のフィードバック制御を受けている
*小川 大輔中嶋 信美玉置 雅紀青野 光子久保 明弘鎌田 博佐治 光
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p. 835

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抄録
オゾンに暴露されたシロイヌナズナではサリチル酸 (SA) が合成され、SAは防御機構を誘導する。これまで、オゾン暴露時に合成されるSAの量がどのように調節されているかについてはほとんど調べられていなかったので、オゾン暴露時のシロイヌナズナのSA合成調節機構に着目し、解析を行った。
昨年私たちは、SA合成に関与する遺伝子の発現解析や遺伝学的な解析から、オゾンに暴露されたシロイヌナズナではisochorismate synthase 1 (ICS1) の発現が増加し、SAはchorismateからisochorismateを介する経路で合成されることを明らかにした。今回、その合成がどのように調節されているのかを調べるため、SAシグナル欠損変異体nonexpresser of PR genes 1 (npr1) の解析を行った。オゾンに暴露されたnpr1では、ICS1発現量、ICS活性やSA量が、野生型よりも高いことが明らかになった。また、野生型シロイヌナズナのオゾン暴露時のICS誘導はSA投与により抑制された。従って、オゾン暴露時SAシグナルがSA量を負に制御している可能性が示唆された。
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© 2006 日本植物生理学会
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