日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第47回日本植物生理学会年会講演要旨集
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シロイヌナズナPPRタンパク質CRR4による葉緑体RNA編集機構の解明
*奥田 賢治清水 敏之鹿内 利治
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p. 849

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抄録
RNA編集は、RNA上の塩基配列を置換する転写後調節過程の一つである。植物オルガネラRNA編集の大部分はC-to-U変換で、変異した遺伝情報を修復する役割を担っている。
シロイヌナズナcrr4chlororespiratory reduction)変異株は葉緑体コードのサブユニットを含むNDH(NAD(P)H dehydrogenase)複合体活性を欠く変異株の一つとして単離された。crr4変異株は葉緑体移行シグナルを持つPPRタンパク質に異常を持ち、ndhDの翻訳開始コドンを作製するRNA編集が特異的に減少していた。これらの結果から、PPRタンパク質が葉緑体のRNA編集に必須であることが明らかになった。
PPRタンパク質の機能は、PPRモチーフを重複することで、特異的にRNAまたはタンパク質と相互作用するのではないかと考えられている。CRR4は11個のPPRモチーフ以外にシチジン脱アミノ化に関わると考えられるモチーフを持っていないことから、ndhD開始コドン作製のRNA編集における標的RNAを認識する役割を担っていることが推測される。そこでまず、CRR4がRNA編集における部位特異的因子として働くかを明らかにするために、in vitroで合成したCRR4と標的RNAとの結合の可能性を検討している。
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© 2006 日本植物生理学会
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