日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第47回日本植物生理学会年会講演要旨集
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COP9シグナロソームの新規制御メカニズムの解析
*柘植 知彦安喜 史織堂前 直MENON SuchithraPICK ElahWEI Ning岡 穆宏
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p. 861

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抄録
COP9シグナロソーム(CSN)は、動植物に共通する核内タンパク質複合体である。CSNの機能不全個体は、植物の茎頂出現、マウスの胚発生、ハエの幼虫発生のプロセスに障害を受けて死に至る。これまで、CSNがユビキチン・プロテアソーム系のタンパク分解調節を介して、形態形成や環境応答に不可欠であることが明らかになっている。
CSN制御の分子機構をさらに詳細に解析するために、CSN1サブユニットに着目して研究を進めた結果、CSN1のN末端部位(CSN1N)がヒトのJNK1/SAPK情報伝達経路の信号を抑制することを見いだした。阻害剤を用いた解析より、この抑制がタンパク分解系を介さない新規の制御であると考えられたので、CSN1Nに直接結合する因子(NBP)群を動物培養細胞より単離した。同定されたNBP群は、SAP130、DDX15/hPrp43/mDEAH9、CFIm68等を含み、それぞれRNAの転写、スプライシング、ポリA付加に関わり、CSNの新規な制御機構の存在を示唆している。
この知見に基づいて、シロイヌナズナで個体レベルの解析を進める一方、植物固有のNBPを単離・精製し、動植物におけるCSN機能の異同の解析を目指している。今回CSNを初めとするCOP/DET/FUSと、その相互作用因子群について議論する。
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© 2006 日本植物生理学会
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