抄録
短日性花成誘導のモデル植物として優れた特徴を持つアサガオを用いて、光周期の感受から花成誘起に至る光周性花成誘導機構に関与する遺伝子群(PHYs, CRY1s, ELF3, ELF4, CCA1, TOC1, PRRs, CDFs, LUX, ZTL, FKF1, GI, CO, FT等)の相同遺伝子を単離し、発現解析及び機能解析を行った。アサガオ品種ムラサキは播種後7日目の芽生えの段階でも一回の短日処理で花成が誘導できる事から、1回の短日処理における、光受容体の役割、生物時計の関与、GI-CO-FT経路の保存性の有無について調査し、シロイヌナズナやイネなどで提唱されているモデルとの相違を考察する。また、花成誘導能力の異なる品種や野生系統(キダチ、テンダン、ネパール、アフリカ)を用いた比較解析を行い、アサガオの光周性花成誘導における各因子の重要性を考察する。