日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第47回日本植物生理学会年会講演要旨集
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光合成制御因子探索を目的としたシロイヌナズナA/Ci変異株のスクリーニング法の確立と現状
*堀口 清華吉村(川崎) 智美新崎 由紀加藤 秀起山本 宏鹿内 利治牧野 周加藤 晃三宅 親弘富澤 健一
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p. S018

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抄録
我々は地球温暖化の主要因であるCO2の削減を植物に担わせるため、その光合成能の強化を目標としている。A/Ci理論に基づくと、C3植物の光合成は低CO2下ではRubiscoカルボキシラーゼ反応に関わる要因(Rubisco量、活性、活性化率、RubiscoへのCO2の拡散効率)により、高CO2下ではRuBP再生に関わる要因(電子伝達反応、カルビンサイクル酵素活性、リン酸回収効率)により制御される。これらの光合成制御要因の改良は、CO2固定能の増強にいたると考えられる。本研究では光合成制御機構の分子レベルでの解明および新規の光合成制御因子探索を目的として、低または高CO2分圧下で光合成に異常をもつシロイヌナズナ変異株の単離を、クロロフィル蛍光解析によるPSII量子収率(Φ (PSII))の評価から行った。
その結果、得られた変異株は次の4つに分類された:1、低CO2下、野生株に比べてΦ (PSII)が大きい;2、両CO2下、野生株に比べてΦ (PSII)が小さくCO2依存性を示さない;3、低CO2下、野生株に比べてΦ (PSII)が小さい;4、光合成の誘導が遅れる。このような変異体が得られたことは、本スクリーニング法が光合成制御因子の獲得に有効であることを示唆している。これらの変異株の生理・生化学的、分子遺伝学的解析は光合成制御機構の解明に貢献し、高CO2固定を行う植物の創生を実現させると考える。
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© 2006 日本植物生理学会
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