日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第47回日本植物生理学会年会講演要旨集
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アブラナ科植物のゲノム情報の収集と利用
*鳴坂 義弘鳴坂 真理
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p. S088

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抄録
モデル植物で行われている基礎研究を作物に応用していくことは研究成果の社会還元をすすめる上で極めて重要であるとともに、シロイヌナズナのリソースや関連情報の有効活用にもつながる。我々はシロイヌナズナで蓄積されているリソースや関連情報、および技術をアブラナ科の作物に応用する道筋を作ることを目的としている。農作物ハクサイとモデル植物シロイヌナズナは同じアブラナ科植物であるが、その形状、大きさ、生活環は大きく異なる。また、ハクサイは根こぶ病、軟腐病、ウイルス病、炭そ病など多くの病害に弱く、耐病性品種の育成に向けた有用遺伝子資源の探索と、病害抵抗性機構の解明が切望されている。ハクサイに感染する病原体の多くはシロイヌナズナにも感染することができる。したがって、モデル植物シロイヌナズナと同じアブラナ科植物での比較ゲノムおよび機能ゲノム解析は、同一の病原体感染系を利用でき、モデル植物で得た知見を最大限利用できる点で極めて有効である。我々は、ハクサイESTライブラリーを作製し、独立した約2,000遺伝子を得、ESTマイクロアレイを構築した。さらに、ハクサイ完全長cDNAライブラリーを作製し、シロイヌナズナとの比較ゲノムおよび機能ゲノム解析のための遺伝子資源を確保した。本シンポジウムでは、ハクサイ研究の現状について報告する。
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© 2006 日本植物生理学会
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