日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第48回日本植物生理学会年会講演要旨集
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ミヤコグサにおけるHAR1依存的抵抗性の解析
*中川 知己竹内 香純川口 正代司河内 宏
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p. 121

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抄録
マメ科植物は根の一部で根粒菌の感染が成立して根粒形成のプロセスが開始されると、根系全体の新規根粒形成が抑制される。これは根粒のオートレギュレーション(AON: Autoregulation Of Nodulation)として知られており、ミヤコグサではAONが機能しないために過剰に根粒を形成するhar1変異体が単離されている。HAR1は根ではなく地上部で機能することが示されており、根での根粒菌感染により地上部のHAR1を活性化、さらなる新規感染を抑制するシグナルが生成して根系全体に伝えられると考えられている。我々はAONと植物病理学における全身抵抗性の類似性に着目して、AONが病原抵抗性に関与するかどうかを調べた。
野生型ミヤコグサはPseudomonas syringae pv.pisiに感染するがP.syringae pv.glycineaには感染しない。これらの菌を用いて野生型ミヤコグサとhar1変異体の比較接種を行ったところ、P.syringae pv.pisiを接種したhar1変異体は野生型植物よりも激しい病徴を示した。さらにhar1変異体は野生型植物には感染しないP.syringae pv.glycineaに対しても顕著な病徴を示した。以上のことからHAR1を介したAONは根での共生菌に対する感染抑制だけでは無く、地上部の防御応答にも関与している可能性が示唆された。
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© 2007 日本植物生理学会
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