日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第48回日本植物生理学会年会講演要旨集
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高等植物における DOPA 4,5-dioxygenase 相同遺伝子の単離
*佐々木 伸大柳楽 洋三矢吹 健二香田 隆俊足立 泰二小関 良宏
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p. 190

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抄録
ベタレイン色素はナデシコ目の多くの植物が蓄積する植物色素であるが、これらのベタレイン色素を合成する植物はアントシアニン蓄積しないことが知られている。この二律背反性の謎を解く手がかりの一つはベタレイン色素合成に関わる最も重要な酵素であるDOPA 4,5-dioxygenase (DOD)遺伝子について解析することである。これまでの研究で、高等植物における DOD 遺伝子は 2004 年にマツバボタン (Portulaca grandiflora)の花弁を用いた cDNA サブトラクション法によって単離され、マツバボタン花弁におけるパーティクル・ガン法によってその活性が確認されている (Christinet, et al., Plant Physiol 134: 265-274)。組換え酵素の活性については不明であったが、筆者らのグループがオシロイバナ由来のMjDODについて、酵母を用いた組換え酵素活性を2005年に本学会で報告した。DOD遺伝子はベタレイン色素を合成しない植物においてもDOD遺伝子の存在が示唆されていた。本研究ではベタレイン色素を合成しない植物種である、アラビドプシス、トレニア、カーネーションから DOD 相同遺伝子を単離した。それらについて大腸菌発現系を用いて組換えDOD活性について検討したところ、トレニア由来のTfDODがDOPAを基質としてベタラミン酸を合成していることが示唆された。
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© 2007 日本植物生理学会
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