日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第48回日本植物生理学会年会講演要旨集
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FOXハンティングシステムを用いた光合成に関与するイネ遺伝子の解析
*樋口 美栄子松井 敬子市川 尚斉近藤 陽一長谷川 由果子川島 美香武藤 周廣近 洋彦松井 南
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p. 315

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抄録
我々は、イネ完全長cDNAをシロイヌナズナにおいて過剰発現させたイネFOX(full-length cDNA overexpressor)ラインを用いて、光合成に関与する遺伝子を同定することを目指している。スクリーニングには、クロロフィル蛍光を二次元画像として経時的に測定できるシステムを用いた。これまでに約6,000ラインの測定が終了しており、野生型と異なるクロロフィル蛍光パラメーターを示す23ラインを単離した。これらの変異体は蛍光パラメーターの違いにより数パターンに分類された。単離したラインには、葉緑体移行シグナルを持つタンパク質をコードする遺伝子、転写関連遺伝子、機能未知遺伝子などが導入されていた。また強光ストレスに関わる遺伝子を同定するため、強光処理(1,000 μE, 1 h)後の光化学系II最大量子収率(Fv/Fm)を指標としたスクリーニングもあわせて行っている。これまでに約2,500ラインのスクリーニングが終了しており、強光ストレス後のFv/Fmが野生型より高い2ラインを単離した。このうち1ラインにおいては、機能未知遺伝子が導入されていた。現在、単離したcDNAのシロイヌナズナへの再導入、表現型の観察を随時行っている。本研究は、平成18年度科学振興調整費「イネ完全長cDNAによる有用形質高速探索」によって行なわれている研究である
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© 2007 日本植物生理学会
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