日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第48回日本植物生理学会年会講演要旨集
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ブラシノステロイド情報伝達突然変異体bil4, bil3の原因遺伝子の単離と解析
*山上 あゆみ中野 雄司中澤 美紀松井 南作田 正明篠崎 一雄辻本 雅文吉田 茂男浅見 忠男
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p. 411

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抄録
ブラシノステロイド(BR)は植物生長の様々な局面で重要な機能を果たしている植物ホルモンである。我々はBR情報伝達機能の解明を目指し、BR生合成阻害剤Brz存在下での胚軸伸長を選抜条件にして、ArabidopsisのアクティベーションタグラインからBR情報伝達変異体bil (Brz-insensitive-long hypocotyl)の選抜と原因遺伝子の単離を行っている。
アクティベーションタグラインから、暗所Brz存在下において胚軸徒長を示す半優性の変異体bil4を単離した。明所下で生育したbil4はロゼット葉の細小化と花茎の短化に基づく細矮性Slender Dwarf様の形態を示した。分子遺伝学的な手法によりbil4変異候補遺伝子を単離し、過剰発現体による再現実験により7回膜貫通ドメインを持つ新規遺伝子を第一候補と考察した。このBIL4遺伝子発現の組織特異性を明らかにするため、BIL4 プロモーター::GUS形質植物体の解析を行った。その結果、葉原基や根の細胞分裂直後の細胞伸長帯でGUS活性が観察されたが、子葉や本葉などでは観察されなかった。また、GFP形質転換体の解析により、BIL4タンパク質が液胞膜上に局在していることが明らかになった。今後、BRおよびBIL4による、液胞膜と初期細胞伸長の制御機構が存在するとの仮説を立て、その検証を行っていきたいと考えている。
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© 2007 日本植物生理学会
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