日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第48回日本植物生理学会年会講演要旨集
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耐塩性Arabidopsis thaliana Ll-1の耐塩性に寄与する遺伝子のマッピング
*水越 愛太治 輝昭井内 聖小林 正智坂田 洋一田中 重雄
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p. 486

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抄録

モデル植物であるArabidopsis thalianaは様々な地域でエコタイプが発見され、その数は約1000種程度とされている。エコタイプ間には1000塩基に1つ程度しか塩基配列が異ならないにも関わらず、近年の研究により、ストレス耐性などにおいて、非常に大きなバリエーションがあることが明らかとなってきた。我々のグループでは、理研BRCに収集されている354種のA. thalianaエコタイプについて、土植え植物の耐塩性評価を行った。その結果、ゲノムシークエンスが公開されているCol-0はA. thaliana のエコタイプの中でも塩高感受性であり、Col-0よりも耐塩性を示すエコタイプが非常に多く存在することが明らかとなった。本研究では、Col-0と比較して特に高い耐塩性を示し、寒天培地上での耐塩性試験でも再現性良く耐塩性が認められたLl-1に着目し、マッピングにより, 原因遺伝子を同定することを目的として研究を進めている。
Col-0×Ll-1_F1植物はLl-1と同程度の高い耐塩性を示すことから、Ll-1が持つ耐塩性は優性であることが明らかとなった。劣性の表現型を示すF2植物を用いて、Ll-1の耐塩性因子をマッピングした結果、第4染色体の上部に原因遺伝子の存在が示唆された。このマッピング結果は理研のマッピングシステムでも同様の結果が得られている。

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© 2007 日本植物生理学会
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