日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第48回日本植物生理学会年会講演要旨集
会議情報

エンドウ(Pisum sativum L.)発芽初期におけるAPY1の発現解析
*米田 基人Thangavelu ArumugamDavies Eric阿部 俊之助
著者情報
会議録・要旨集 フリー

p. 518

詳細
抄録
apyraseはNTPとNDPを加水分解する基質特異性が低い酵素で、エンドウではApy1Apy2が報告されている。アラスカエンドウ黄化芽生え第一節間の細胞骨格画分にはAPY1が多量に存在しており、細胞内で多局在性を示す。そこで、芽生えの成長と分化におけるapyraseの役割を明らかにするため、発芽初期でのAPY1の発現をウェスタンブロッティング、RT-PCRおよび免疫組織化学により解析した。APY1は播種後10時間から発現量が組織全体で急激に増大し、根茎葉の器官形成が終わる62時間で最大量に達した。また、RT-PCRによってApy2の発現は10時間以降でわずかながら検出された。吸水時から発現が高まる細胞骨格タンパク質遺伝子(ACTTUB)とは異なり、Apy1は発芽直後から転写が始まったのち器官形成初期に転写が最も活発となる発芽後誘導遺伝子であることがわかった。また、器官によっては組織部位特異性も観察され、芽生えの器官形成初期に重要な役割を果たしていることが示唆された。
著者関連情報
© 2007 日本植物生理学会
前の記事 次の記事
feedback
Top