日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第48回日本植物生理学会年会講演要旨集
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低濃度CO2環境下で長期育成したシロイヌナズナにおける形態的特徴
*永澤 隆祢宜 淳太郎松田 修射場 厚
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p. 570

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抄録
近年大気中のCO2濃度は年々増加しており、今世紀中には700ppm程度に上昇すると予測されている。現在までの研究により、高濃度CO2環境下で植物が受ける影響について、生重量の増加・気孔密度の減少・葉緑体内のでんぷん量増加・タンパク質あたりの光合成活性の低下などが明らかになっている。しかし、低濃度CO2環境下で育成した植物についての報告はほとんどない。今回我々は低濃度CO2環境下でシロイヌナズナがどのような形態を示すか解析した。生育条件としてピートモスおよびMS寒天培地を用い、50~100ppmと350ppmのCO2濃度で比較した。形態の基準として、葉面積・生重量・根の伸張速度・花茎の数および長さ・気孔密度などを測定した。測定の結果、低濃度CO2環境下ではこれらの多くが著しく減少しており、炭素栄養欠乏によって生育が阻害されることが確かめられた。また糖栄養を添加した条件においても、低濃度CO2環境下では形態的な変化が観察された。
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© 2007 日本植物生理学会
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