日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第48回日本植物生理学会年会講演要旨集
会議情報

MALDI-TOF MSを用いたクロロフィル類の解析
*御殿谷 仁志鈴木 利幸塩井 祐三
著者情報
会議録・要旨集 フリー

p. 603

詳細
抄録

近年, MALDI (matrix-assisted laser desorption/ionization)-TOF (time-of-flight) MS (mass spectrometry)を用いてタンパク質やアミノ酸分析が行われている. しかし, これまでTOF MSを用いた植物色素の分析についての報告はほとんどない. 我々は, 今回MALDI-TOF MSを用いて, 植物の持つ主要な色素であるクロロフィル類の検出を試みた. terthiophene, alpha-cyano-4-hydroxy cinnamic acid (CCA)をマトリックスとして用い, クロロフィルaの検出に最適な条件を検討した. CCAをマトリックスとして用いた場合, クロロフィルからMg2+が脱離したフェオフィチンaが検出され, terthiopheneの場合には安定したクロロフィルaのピークが見られた. また, 両マトリックス共に, レーザーによる部分的な分解によりクロロフィルaとともにフェオホルビドa, クロロフィリドa, フェオフィチンaが検出された. このことから, この条件でフェオフィチンa, クロロフィリドa, フェオホルビドaの検出も可能であることが明らかになった. 現在, クロロフィルc, バクテリオクロロフィルa類の解析を行っているので合わせて報告する.

著者関連情報
© 2007 日本植物生理学会
前の記事 次の記事
feedback
Top