日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第48回日本植物生理学会年会講演要旨集
会議情報

イネ・プロテアーゼ遺伝子Rep1のジベレリン応答を制御する転写因子の解析
須藤 慶太今井 亮三鷲尾 健司中井 朋則*山内 大輔
著者情報
会議録・要旨集 フリー

p. 697

詳細
抄録
イネ種子貯蔵タンパク質分解に関与するプロテアーゼREP-1の遺伝子Rep1の発現は、ジベレリン(GA)により制御されている。そのプロモーターには、代表的なGA応答性転写因子であるGAMybが結合するGA応答配列 (GARE) とそれと協調的に働くCAACTC をコアとするシス配列(CARE) が存在し、それらがGA応答に関与している。DNA結合ドメインをC末端に持つMyb型の転写因子がCAREに結合し、その遺伝子をCTMyb1と名づけた。この遺伝子から転写開始点の違いによりN末端部分の長さの異なる2種類のタンパク質が合成され、それらをCTMyb1L (521 アミノ酸残基)、CTMyb1S (409アミノ酸残基)と名づけた。一過的発現系により過剰発現させたCTMyb1LはRep1プロモーターを活性化しなかったが、CTMyb1Sは、OsGAMybと協調的に作用してRep1プロモーターを強く活性化したCTMyb1SとOsGAMybとの相互作用は検出できなかったが、OsGAMybと結合するイネのプロラミンボックス結合因子(RPBF)とCTMyb1との間には相互作用が認められた。加えて、一過的発現系により、RPBFはRep1プロモーターを活性化した。これらのことから、Rep1の転写活性化には、OsGAMyb, RPBF, CTMyb1Sの複合体が関与していることが示唆された。
著者関連情報
© 2007 日本植物生理学会
前の記事 次の記事
feedback
Top