日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第48回日本植物生理学会年会講演要旨集
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ミヤコグサCLAVATA2, CLAVATA3様遺伝子の機能解析
*岡本 暁佐藤 直人吉良 恵利佳中川 知己福原 いずみ佐藤 修正田畑 哲之Jillian PerryTrevor Wang川口 正代司
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p. 705

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抄録
マメ科植物は生長に応じて根粒の数を適切に制御する根粒形成の“オートレギュレーション”機構を持つことが知られており、根とシュートを介した遠距離シグナル伝達より構成されている。ミヤコグサから根粒形成のオートレギュレーションに関わる因子として単離されたHAR1は受容体型キナーゼ(RLK)をコードしており、シロイヌナズナの全RLKの中でCLAVATA1(CLV1)と最も相同性が高いことがわかっている。シロイヌナズナではCLV1は受容体型タンパクであるCLV2と複合体を形成し、CLV3ペプチドを認識することで茎頂分裂組織を制御すると考えられている。本研究ではミヤコグサもシロイヌナズナのCLAVATA様複合体を形成して根粒数を制御していることを想定し、ミヤコグサのゲノム情報解析からCLV2, CLV3と最も相同性の高いものを単離しそれぞれLjCLV2, LjCLV3とした。器官別発現解析ではLjCLV2は全身的に、LjCLV3HAR1と異なる器官で発現が検出された。また、LjCLV2の発現抑制体では根粒数の増加が見られたことからLjCLV2HAR1と同様に根粒形成のオートレギュレーションに関与することが示唆された。一方、LjCLV3の発現抑制体では根粒数には変化が見られず、シュートの帯化が見られたことから、LjCLV3は茎頂分裂組織を制御していると考えられる。
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© 2007 日本植物生理学会
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