日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第48回日本植物生理学会年会講演要旨集
会議情報

マイクロアレイ解析によるASYMMETRIC LEAVES2 (AS2)及びAS1遺伝子の下流因子の探索
*岩川 秀和高橋 広夫岩崎 まゆみ小島 晶子小林 猛町田 泰則町田 千代子
著者情報
会議録・要旨集 フリー

p. 709

詳細
抄録
植物の葉は茎頂メリステムから発生し、基部先端部軸、向背軸、中央側方軸に沿って成長する扁平で左右相称的な器官である。我々は葉の左右相称的な形成のメカニズムを調べるために、葉身の切れ込みのパターンが左右非対称的なシロイヌナズナのasymmetric leaves2 (as2)とas1変異体を解析している。これまでに、AS2AS1遺伝子は共同して機能し、class 1 KNOX遺伝子であるBPKNAT2KNAT6の発現を抑制することがわかっている。AS2は植物に特有のAS2/LOBドメインを持つ蛋白質をコードしている。AS1はMYB様の転写因子をコードしている。酵母Two-Hybrid Systemを用いた解析と細胞内局在の解析から、AS2とAS1蛋白質は相互作用して細胞の核内で機能していると考えられる。as2及びas1変異体の子葉では向軸側の細胞数が増加して葉は下向きにカールするが、AS2を過剰に発現する植物(as2-1/pAS1::AS2)の子葉では、向軸側の細胞数が減少して葉は上向きにカールする。AS2AS1の下流で機能し、扁平で左右相称的な葉の形成に関わる遺伝子を調べるためにマイクロアレイ解析を行った。野生型、as2-1as1-1as2-1/pAS1::AS2、及び35S::AS1における遺伝子発現プロファイルを調べた。発現プロファイルによって遺伝子をクラスタリングし、BPと同じ発現制御を受けていると考えられる候補遺伝子を得た。これらの遺伝子はAS2AS1の下流で機能し、扁平で左右相称的な葉の形成に関わっている可能性が考えられる。
著者関連情報
© 2007 日本植物生理学会
前の記事 次の記事
feedback
Top