日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第48回日本植物生理学会年会講演要旨集
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胚軸表皮細胞に異所的な突起を生じるシロイヌナズナ突然変異体iboの単離と解析
*本瀬 宏康富永 るみ和田 拓治渡辺 雄一郎
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p. 708

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抄録
植物の形態形成における位置依存的な成長制御機構を明らかにするため、胚軸表皮細胞が異所的な先端成長を起こすシロイヌナズナ新規突然変異体iboを単離した。ibo1の胚軸表皮細胞では細胞中央から異所的な先端成長が起こり、根毛に似た先端が丸い突起が形成される。また、本葉の葉柄や中肋の表皮細胞でも同様な突起形成が認められた。一方で、ibo1における根毛細胞・孔辺細胞・トライコームの分化パターン、根毛形成関連遺伝子GL2CPCSHV3 familyの発現は正常だった。ibo1の胚軸における異所的な突起形成は、GL2CPCを発現する非気孔細胞列で優先的に誘導された。ibo1の異所的な先端成長はエチレン合成阻害剤の添加により抑制され、エチレン前駆体の添加により回復した。cpc-1 ibo1の二重変異体は相加的な表現系を示し、胚軸の異所的な突起形成および根毛形成の抑制が観察された。これまでの結果と進展状況をまとめ、異所的な先端成長を抑制するIBO1の機能について考察する。
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© 2007 日本植物生理学会
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