日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第48回日本植物生理学会年会講演要旨集
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Foxラインを使った新規エンドリデュプリケーション変異体の単離
*本郷 洋明原 博子吉積 毅長谷川 由果子堀井 陽子黒田 浩文市川 尚斉島田 浩章松井 南
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p. 745

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抄録
我々は特殊な細胞周期であるエンドリデュプリケーションの分子機構について研究を行っている。
細胞の大きさは、細胞のDNA量と相関があることが知られている。体細胞におけるDNA量の倍化は、多くの場合、エンドリデュプリケーションによって引き起こされる。この現象は、細胞分裂の伴わないDNA複製と定義され、植物では様々な器官において普遍的に認められており、植物の形態形成において重要な働きをしていることが知られている。そこで、エンドリデュプリケーションの分子機構を明らかにするために、シロイヌナズナのエンドリデュプリケーション変異株の単離を試みた。
これまでに、シロイヌナズナのActivation-Tag変異株から、細胞のDNA量の増加が認められた17系統の変異体系統を単離している。しかし、Activation-Tag変異株は、原因遺伝子の特定に時間がかかるという問題点があった。今回、シロイヌナズナの様々な完全長cDNAを導入して、高発現させた形質転換体の集団であるFoxラインを使用し、新たなエンドリデュプリケーション変異体の単離を試みた。Foxラインは、原因遺伝子の特定が簡便であり、表現型もすでに観察されているという利点がある。
1215個体のFoxラインについて、その暗所胚軸のDNA量をフローサイトメーターで測定した。その結果、DNA量増加が顕著な変異株23個体が得られた。これらの変異株について報告する。
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© 2007 日本植物生理学会
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