日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第48回日本植物生理学会年会講演要旨集
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木質形成を制御するNAC転写因子NST1, NST2, NST3の機能解析
*光田 展隆岩瀬 哲山本 浩之吉田 正人関 原明篠崎 一雄高木 優
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p. 770

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抄録
全ての植物細胞が持つ一次細胞壁に対して二次壁(=木質)は、茎や胚軸、葯、鞘などの限られた組織にのみ形成される。本研究では植物特異的転写因子NACファミリーであるNST1, NST2およびNST3が二次壁の形成を制御することを明らかにしたので報告する。NST1プロモーターは、花茎や胚軸の木部、葯、鞘のバルブ内被層で、NST2プロモーターは主に葯で、NST3プロモーターは花茎や胚軸の木部、鞘のバルブ内被層で活性が認められた。そこでNST1, NST2の二重変異体を作成すると葯内被細胞層の二次壁肥厚が抑制され葯の開裂が完全に抑制された。一方NST1, NST3の二重変異体は、花茎や胚軸において二次壁形成がほとんど見られなくなり植物体は直立できなくなった。さらに果実鞘を詳細に調べると、NST1の変異体では、バルブマージンの二次壁形成が抑制され、NST1, NST3二重変異体ではさらにバルブ内被層の二次壁形成が抑制されることがわかり、いずれも変異体においても果実鞘の自然開裂が著しく抑制された。一方NST遺伝子のいずれかを異所的に過剰発現させると、地上部の様々な部位で異所的な二次壁肥厚が観察された。これらのことから3つのNST転写因子は、機能重複して、道管以外で起きる二次壁形成の大部分を制御する木質形成のマスター転写因子であることが明らかになった。
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© 2007 日本植物生理学会
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