抄録
チオレドキシン(Trx)は活性部位にある2つのシステインを用いて、標的となるタンパク質を還元し、その活性を調節している。Chlorobium tepidum TLSは絶対嫌気性の光合成細菌で、硫黄化合物や硫化水素を電子供与体として光合成を行う。ゲノム解読の終了によりC. tepidumには2つのTrxホモログの遺伝子が見つかっている(CT0785, CT0841)。この2つのTrxについてリコンビナントタンパク質の発現系を構築した。作成しTrxの発現プラスミドを基に、活性部位にあるシステインの1つをセリンに置換した変異型タンパク質を作成した。変異型Trxでは、還元反応が完了せず標的タンパク質とTrxが結合したままの安定な中間体を作ると考えられる。この中間体は、ジスルフィド結合の還元剤であるジチオスレイトール(DTT)を反応させることにより解離できる。この手法を用いてC. tepidumの変異型Trxを樹脂に固定し、C. tepidumの全タンパク質を反応させる事により、Trxの標的タンパク質を網羅的に解析したので報告する。