日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第48回日本植物生理学会年会講演要旨集
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シロイヌナズナSnRK2プロテインキナーゼSRK2Gの浸透圧による活性化と発現部位の解析
*中村 正輝梅澤 泰史吉田 理一郎篠崎 一雄
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p. 902

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抄録
SNF1-related protein kinase 2(SnRK2)ファミリーは、高等植物に広く存在し、アブシジン酸(ABA)や塩・乾燥などの高浸透圧ストレスによって活性化するSer/Thr型プロテインキナーゼである。シロイヌナズナに10個存在するSnRK2ファミリー(SRK2A~J)のうち、SRK2E/OST1は孔辺細胞におけるABAシグナルの重要な因子であり、気孔の閉鎖を制御することが知られている。一方、SRK2Cは高浸透圧によって活性化し、SRK2C過剰発現植物ではストレス応答性遺伝子発現が制御され、乾燥耐性が増すことも報告されている。SRK2EとSRK2CはいずれもSnRK2aサブファミリーに属するが、一方のSnRK2bサブファミリーについてはほとんど解析が進んでいないのが現状である。そこで、我々はシロイヌナズナSnRK2bの一つであるSRK2Gについて解析を進めた。T87培養細胞にSRK2G-GFPを導入し、ゲル内リン酸化法によって活性化を調べたところ、SRK2Gは高浸透圧によって迅速に(30秒以内)活性化することが明らかとなった。また、SRK2Gのノーザン解析やプロモーターGUS解析の結果、SRK2Gはシロイヌナズナ植物体のほぼ全身で恒常的に発現していることが示唆された。現在、SRK2Gの過剰発現植物およびノックアウト植物体を取得し、機能解析を進めているところである。
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© 2007 日本植物生理学会
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