抄録
乾燥および塩ストレス耐性をレタスに付与することを目的に、ストレス耐性に関与するシロイヌナズナの転写因子をコードするDREB1A遺伝子をレタスに導入した。CaMVの35Sプロモーターおよびストレス誘導性のrd29Aプロモーターのレタスにおける活性を確認するため、GUS遺伝子をレポーターとして導入し、形質転換体のGUS活性を測定したところ、それぞれ恒常性および乾燥ストレス応答性が認められた。続いてそれぞれのプロモーターとDREB1Aとを連結させたコンストラクトをレタスに導入し、形質転換体を得た。ベクターのみを導入した形質転換体とその耐性を比較したところ、35S:DREB1A-18系統は、200mMのNaClを含む養液栽培において生存率および生存日数を有意に増加させた。また、rd29A:DREB1A-31系統においては、乾燥ストレス下における生存率が増加した。ヘテロプローブを用いたマイクロアレイ法によって、転写因子DREB1Aの下流の標的遺伝子の挙動を解析したところ、DREB1A遺伝子の過剰発現によって発現が誘導されたと考えられる遺伝子が確認された。これらの結果から、シロイヌナズナのrd29AプロモーターとDREB1A遺伝子は、レタスにおいても機能し、塩や乾燥に対するストレス耐性を向上させる可能性を持つことが示された。