抄録
我々は、栄養成長期の相転換に異常を示す4つの変異体zippy(zip)/ago7, sgs3, rdr6, dcl4を使った解析から新しいクラスの内在性siRNAであるtrans-acting siRNA(ta-siRNA)を見出し、その生成過程を明らかにした。TAS1a, b, c及びTAS2から転写された前駆体RNAはmiR173による切断を受けRNAサイレンシング経路に入り、SGS3による切断断片の安定化、RDR6による2本鎖RNAへの変換、DCL4によりプロセスされta-siRNAができる。これまでに5箇所報告されているtrans-acting siRNA locus(TAS)のうち、TAS3から生じるta-siRNA(ta-siARF)が、オーキシンに応答する転写因子ETTIN(ETT)/ARF3及びARF4の転写後調節に機能している報告があり、また我々の以前の実験結果においてzip, sgs3, rdr6変異体でETT及びARF4の転写量の増加が見られていることから、ta-siARFが栄養成長期の転換制御に関わっていると予想した。そこでta-siARFの発現を調べたところ、zipを含むいずれの変異体でも発現は見られなかった。さらに、これとは独立して行っていた遺伝学解析から、ETT及びARF4の変異体をzipのサプレッサーとして単離した。以上のことから、TAS3から生じるta-siRNAが幼若相から成熟相へ転換制御に機能していることが明らかになった。