日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第48回日本植物生理学会年会講演要旨集
会議情報

フィトクロムとフォトトロピンの特性を持つLOV光受容体PHY3
*鐘ヶ江 健
著者情報
会議録・要旨集 フリー

p. S056

詳細
抄録
ホウライシダで発見されたフィトクロム3(PHY3)は、N末端側が赤色光受容体フィトクロムの光受容部位、C末端側が青色光受容体フォトトロピン全長で構成されるキメラ光受容体である。その構造から、PHY3はフォトトロピンの制御する反応を、青色光だけでなく赤色光でも制御できる光受容体であると考えられる。PHY3の機能解析を行うためにシロイヌナズナのフォトトロピン変異体(phot1-5 phot2-1)にPHY3を導入し、胚軸の光屈性を指標として光生理反応を調べた。その結果、PHY3を導入したシロイヌナズナでは青色光・赤色光のどちらでも光屈性を誘導することができ、PHY3はフィトクロムとフォトトロピンの両方の機能を1分子で有する光受容体であることが明らかになった。さらに、単独では光屈性を誘導できない弱い赤色光と青色光を同時に照射すると、光屈性が誘導されることが判明した。この相乗的効果は、形質転換植物体の膜画分におけるPHY3の自己リン酸化シグナルの強度と相関があることも示された。これらの知見から、赤色光情報と青色光情報がPHY3分子内で相乗効果を生み、弱い光にも応答できるようになることが明らかとなった。PHY3はシダ植物固有の光受容体であり、PHY3がシダ植物の弱光環境適応戦略の一端を担う鍵分子であることが想像される。
著者関連情報
© 2007 日本植物生理学会
前の記事 次の記事
feedback
Top