日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第49回日本植物生理学会年会講演要旨集
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植物特異的な転写抑制ドメインEARモチーフと相互作用する因子の解析
*梅村 佳美平津 圭一郎高木 優
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p. 0011

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抄録
これまでに本研究グループでは、シロイヌナズナ転写抑制因子群のC末端に高度に保存されているEAR(ERF-associated Amphiphilic Repression)モチーフと呼ばれる配列が強力な転写抑制ドメインとして機能することを明らかにしてきた。驚くべきことに、このEARモチーフ中に含まれる“XLxLXL”という6残基のみの短い配列が、強力な転写抑制能を持つことが示された。これまでにXLxLXLのように数残基のみで強力に機能する転写抑制ドメインが同定されたという報告は無い。またEARモチーフは植物にしか保存されていないため、植物が他の生物にはない独自の転写調節機構を発達させたものと思われ、このEARモチーフを介した転写抑制のメカニズムの解明に興味がもたれている。EARモチーフは、6残基のみで強力な転写抑制機能を発揮するが、この6残基のみの短いペプチド鎖が、酵素活性等を有し直接転写抑制に作用している可能性は低い。したがって、転写を抑制するためには他の因子、例えばコリプレッサーが必要であるものと推測される。そこで我々は、酵母two-hybridシステムを用いたスクリーニングを行い、EARモチーフと相互作用する因子を同定した。本研究では、同定した因子について個々に解析を行い、それぞれの因子がEARモチーフを介した転写抑制機構にどのように関わっているのかについて議論する。
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© 2008 日本植物生理学会
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