日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第49回日本植物生理学会年会講演要旨集
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パラゴムノキにおけるビタミンE生合成関連遺伝子群のクローニングと発現解析
*廣末 瑛介山東 智紀渡辺 訓江Rismayanti nilTeuku Tajuddin福崎 英一郎小林 昭雄
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p. 0038

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抄録
[目的]パラゴムノキが産出するラテックスに含まれるビタミンEはその抗酸化作用により、ゴム製品中において天然老化防止剤として作用する。パラゴムノキの組織別にビタミンE分析を行ったところ、成葉中にはtocopherol,ラテックス中にはtocotrienolが多く含まれ、またそれぞれの異性体組成が異なることが明らかになっている。本研究では、パラゴムノキにおけるビタミンE生合成関連遺伝子群の取得と、遺伝子発現と代謝産物の関係を明らかにすることを目的とした。
[方法と結果]これまでに集積したパラゴムノキのラテックスと木部のEST情報をもとに、ビタミンE生合成関連遺伝子群のクローニングを行い、10種類の候補遺伝子を明らかにした。双子葉植物で初めて HGGT遺伝子を取得した。また、個々の遺伝子に対して、リアルタイムPCR を用いた組織別の遺伝子発現量と代謝物量の比較を行った。その結果、tocopherol生合成遺伝子のGGDRとHPTは、葉の発達とともに発現が増加し、また、tocotrienol生合成遺伝子のHGGTは、ラテックス特異的に発現し、代謝産物と相関が見られた。また、γ-tocopherol methyltransferase (γ-TMT)の発現量により異性体の組成が制御されていることも明らかとなった。
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© 2008 日本植物生理学会
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