日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第49回日本植物生理学会年会講演要旨集
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リグナン類の高感度微量分析系の確立ならびにレンギョウ中のリグナンプロファイルと光環境の相関解析
*奥村 亮平岡澤 敦司畑 直樹和泉 自泰小埜 栄一郎佐竹 炎福崎 英一郎小林 昭雄
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p. 0039

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抄録
近年,リグナン類の持つ抗酸化作用や制ガン作用などの様々な有用機能が注目されている.しかし,リグナン類は代謝中間体, 類縁体が数多く,また植物中に微量しか存在しない成分があるため,網羅的に分析することは困難であった.そこで,本研究では, capillary LC-ESI-MS を用い,リグナン類とその前駆物質であるフェニルプロパノイド類の高感度微量分析系を確立し,この分析系を用いてリグナン類の蓄積量と植物の二次代謝に最も影響を与えると考えられる光条件の関係を解析することを目的とした.まず,リグナン関連化合物のインフュージョン分析を行い,MS2,MS3 フラグメントの解析を行った.その結果,イオン化は negative mode が良好であり,MSn 分析を行うことで pinoresinol と epipinoresinol のような立体異性体をフラグメントパターンから区別することが可能であることが分かった.MS の検出においては検出感度と選択性を向上させるために multiple reaction monitoring (MRM) を採用した.リグナン類における検出限界は数 f mol であった.レンギョウ葉の分析を行った結果,10 種類のリグナン類を検出することができた.さらに,異なる光条件化で育成させたレンギョウ葉を分析したところ,青色光の連続照射によって,5 種類のリグナン類の蓄積量が増加する傾向がみられた.
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© 2008 日本植物生理学会
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