日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第49回日本植物生理学会年会講演要旨集
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シロイヌナズナタイリングアレイを用いた乾燥・低温・塩ストレス・ABA処理条件下の遺伝子発現解析
*松井 章浩神沼 英里遠藤 高帆石田 順子諸沢 妙子岡本 昌憲南原 英司中嶋 舞子川嶋 真紀子佐藤 将一金 鍾明望月 芳樹小林 紀郎豊田 哲郎篠崎 一雄関 原明
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p. 0125

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抄録
植物は移動の自由がないため、乾燥、低温、塩などのストレスに対する独自の制御機構を備えている。これまでにDNAマイクロアレイ法などを用いて、乾燥、低温、塩などのストレスに対し発現応答する植物遺伝子が多数単離され、それらの機能が同定されつつある。また、近年の研究で広範囲の生物においてタンパク質をコードしないRNAが大量に存在することが明らかになりつつあり、これらのRNAの機能が注目されている。そこで私たちは新規RNAの探索・機能解析を目指して、タイリングアレイを用いてシロイヌナズナの全ゲノムトランスクリプトーム解析を行った。
乾燥、低温、塩などのストレスやABA処理(2時間および10時間)したサンプルを用いて発現解析を行い。AGIコード遺伝子以外に新規な転写単位を7,719個同定した。これらの新規RNAの大半は既知のタンパク質をコードしないものであり、約9割はAGIコード遺伝子の反対鎖にマップされていた。興味深い事に新規転写単位とアンチセンス鎖に存在するAGIコード遺伝子の発現応答性の間に高い相同性が存在する事が明らかになった。アンチセンスRNAが存在するストレス応答性遺伝子領域の幾つかについてノーザンおよびreal time RT-PCR解析を行い、ストレス応答性のアンチセンスRNAの存在を確認した。現在、これらのストレス応答性のアンチセンスRNAの生成メカニズムと機能に関する解析を進めている。
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© 2008 日本植物生理学会
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