日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第49回日本植物生理学会年会講演要旨集
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phototropin, phytochrome, cryptochromeは協調的に光屈性を制御する
*間山(槌田) 智子永島 明知岡田 清孝酒井 達也
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p. 0203

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抄録
シロイヌナズナの光屈性は青色光受容体phototropin (phot1とphot2)に制御され、そのシグナル伝達因子としてRPT2とNPH3が単離・同定されている。これらはタンパク質間相互領域をもち、それぞれphot1 と複合体を形成する。RPT2の発現は赤色光及び青色光によって制御され、光強度依存的な発現誘導を受けること、またRPT2は遺伝学的にphot1の下流で機能することが示されている。しかし、RPT2の発現制御は明らかになっていなかった。今回、我々はphyA, phyB, cry1, cyr2 が冗長的にRPT2の転写を制御すること、phyA, cry1, cry2が協調して強光下での光屈性に重要な機能を示すことを報告する。また、phot1はRPT2の転写には影響を与えないが、翻訳調節を介して発現誘導を制御する可能性を示唆する結果を得た。現在phyA, cry1, cry2 の下流におけるRPT2の働きについて詳しい解析を行なっているが、本研究により、RPT2がphototropin, phytochrome およびcryptochromeにより発現量を多段階に制御されること、また光屈性におけるそれぞれの光受容体からのシグナルがRPT2に収束していることが明らかになった。
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© 2008 日本植物生理学会
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