日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第49回日本植物生理学会年会講演要旨集
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ベタインの蓄積におよぼす3-ホスホグリセリン酸脱水素酵素の役割
*伊藤 貴之Waditee Rungaroon平田 絵美日比野 隆田中 義人高倍 昭洋寺倉 伸治
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p. 0250

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抄録
カルビンベンソンサイクル、解糖、あるいはペントースリン酸経路で生じる3-ホスホグリセリン酸は、3-ホスホグリセリン酸脱水素酵素(PGDH)とそれに続く2つの反応によりセリンになる。セリンはセリンヒドロキシメチルトランスフェラーゼによりグリシンになる。ベタインは植物が塩・乾燥ストレスに曝されたときに作られる重要な適合溶質である。多くの生物ではベタインはコリンの2段階の酸化により合成されるが、耐塩性ラン藻 Aphanothece halophytica ではグリシンの3段階のメチル化反応によって合成される。これまでの研究の結果、ベタインの蓄積には、エタノールアミン、セリン、グリシン等の供給が重要であることが示されている。そこで、今回ベタインの蓄積に及ぼすPGDHの効果について、1)耐塩性ラン藻、2)グリシンの3段階のメチル化に関与するグリシンサルコシンメチルトランスフェラーゼ(ApGSMT)およびジメチルグリシンメチルトランスフェラーゼ(ApDMT)遺伝子を導入したアラビドプシスを用いて、そのベタイン蓄積に及ぼす前駆体の効果について検討した。これらの結果について報告する。
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© 2008 日本植物生理学会
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