日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第49回日本植物生理学会年会講演要旨集
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ヒメツリガネゴケ硝酸イオン能動輸送体の機能分化
*辻本 良真山口 貴司安田 恭子前田 真一日渡 祐二長谷部 光泰小俣 達男
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p. 0300

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抄録
植物の主要な窒素源は硝酸イオンであり、我々はその輸送に関する研究をヒメツリガネゴケ(Physcomitrella patens)を材料として行っている。これまでに硝酸イオン能動輸送体NRT2の遺伝子を8個(NRT2;1-NRT2;8)同定したが、それらの機能や活性の違いは不明であった。そこで8個の中で構造的特徴と遺伝子発現様式から重要と思われるNRT2;1NRT2;3およびNRT2;5の相同組み換えによる破壊株(それぞれΔNRT2;1ΔNRT2;3およびΔNRT2;5)を作製した。これらはいずれも硝酸イオンを唯一の窒素源として正常に生育した。高濃度の硝酸イオン培地で前培養した原糸体を用いて硝酸イオン取り込み活性を測定したところ、ΔNRT2;1ΔNRT2;5については野生株と大きな差はなかった。これに対してΔNRT2;3は低濃度領域(0~100 μM)での取り込み活性が高く、基質親和性が上昇していた。このときΔNRT2;3では野生株と比べて他のNRT2遺伝子、特にNRT2;1NRT2;2の発現量が増加していることが明らかになった。このことから、NRT2;3は比較的基質親和性が低く、逆にNRT2;1やNRT2;2は親和性が高いことが推測された。また、高硝酸イオン条件の野生株ではNRT2;3がグルタミンによる抑制を介して他のNRT2遺伝子を間接的に制御していることが示唆された。
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© 2008 日本植物生理学会
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