日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第49回日本植物生理学会年会講演要旨集
会議情報

RiCES: イネ遺伝子プロモーターを対象としたシス因子探索ツール
*土井 考爾保坂 アエニ永田 俊文佐藤 浩二鈴木 宏史Mauleon RamilMendoza Michael JonathanBruskiewich Richard菊池 尚志
著者情報
会議録・要旨集 フリー

p. 0336

詳細
抄録
発現プロファイルの共通する(たとえばdrought stressによってup regulateするなど)遺伝子群のプロモーター領域に特徴的に出現するモチーフは、発現制御タンパク質の結合部位であるシス因子である可能性が高く、遺伝子発現機構の研究上注目に値する。しかし、それらを膨大な実験データの中から抽出することはしばしば困難な作業である。我々はイネ遺伝子を対象としてシス因子候補を簡易に抽出できるWebツールRiCESを開発・公開した(http://hpc.irri.cgiar.org/tool/nias/ces)。RiCESは、ユーザが定義した遺伝子群において保存的に見られるモチーフを枚挙し(モチーフ探索プログラムMEMEを利用)、着目した遺伝子群においてどの程度特徴的に分布しているのかを、アソシエーションルール解析という手法により評価できる。また、既知あるいは研究者自身の実験によって得られたシス因子候補モチーフやそれらの共存性についても同様に評価できる。得られたシス因子候補群はマッピング情報、遺伝子のGOアノテーション、パスウェイなどの関連情報とともに提示され、容易に妥当性を検討できる。これを利用しウェット・ドライ双方の視点から未知のシス因子候補の探索を進めている。特にストレス応答性などいくつかの条件から対象遺伝子群を抽出したケーススタディについて進捗状況を報告する。
著者関連情報
© 2008 日本植物生理学会
前の記事 次の記事
feedback
Top