日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第49回日本植物生理学会年会講演要旨集
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シロイヌナズナにおけるサイトカイニン情報伝達に関わるARR転写因子群の遺伝学的解析
*石田 快横山 明弘山篠 貴史水野 猛
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p. 0341

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抄録
サイトカイニン(CK)は、細胞分裂、分化、シュートの形成など、植物の成長・分化の様々な場面に関わる重要な植物ホルモンである。シロイヌナズナにおけるCK情報伝達初発分子機構は、AHK(CK受容体)→ AHP → Type-B ARR(転写因子)からなるリン酸リレー系により制御されている。シロイヌナズナにはType-B ARRが11種存在し、そのうち7種がCK情報伝達に深く関与していることが知られている。しかし、それらの機能重複や機能分担に関しては不明な点が多い。今回我々は、これら7種類のType-B ARRに関してそれぞれT-DNA挿入変異体を確立した。次いで、多重欠損変異体を作製してCK情報伝達におけるType-B ARRの機能に関する遺伝学的な解析を行った。
その結果、arr1-4 arr10-5 arr12-1三重欠損変異体は生育全般にわたり重篤な表現型を示すことが明らかになった。根の伸長阻害、カルスからのシュート分化、CK応答性遺伝子発現等においてCK非感受性を示した。また、種子の肥大、主根形成不全と不定根の形成、根の維管束分化の異常、茎頂・根端分裂組織領域の減少が観察された。これらの表現型はCK受容体(AHK)三重欠損変異体(ahk2/3/4)に極めて類似していた。以上の結果より、7種類のType-B ARRの中で、ARR1、ARR10、ARR12がCK初期情報伝達経路において必須の役割を担っていることが示唆された。
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© 2008 日本植物生理学会
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