日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第49回日本植物生理学会年会講演要旨集
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ブラシノステロイド生合成調節に関与するカルモジュリン結合タンパク質
*今泉 隆次郎藤岡 昭三内山 寛綾部 真一青木 俊夫
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p. 0433

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抄録
我々は早期老化などの表現型を示すミヤコグサのアクティベーションタギングラインから変異原遺伝子候補として新規カルモジュリン結合タンパク質遺伝子を単離した。その詳細な機能を同定するために、brassinosteroid positive regulators (BPRs)と命名した2つのシロイヌナズナオルソログ遺伝子について解析した。野生型と比較して、BPR1の過剰発現体は葉身と葉柄が縦方向に伸長した。一方、T-DNA挿入破壊株では葉身と葉柄が短縮したが、ブラシノライドの処理で野生型のレベルまで回復した。BPR2の過剰発現体ではロゼット葉が上偏成長した。BPR1BPR2の形質転換体を用いたブラシノステロイド生合成酵素遺伝子の半定量的RT-PCR解析によって、BPR1はCYP90C1、CYP90D1、CYP85A1の各酵素遺伝子、BPR2はCYP85A1CYP85A2をそれぞれ調節することが示唆された。BPR1またはBPR2プロモーターに連結したGUS遺伝子はそれぞれ異なった組織・器官で発現し、BPR1-GFPとBPR2-GFPの各融合タンパク質はそれぞれ核と色素体に局在していた。これらの結果によって、BPR1とBPR2はブラシノステロイド生合成酵素遺伝子の空間的・時間的発現調節に関与することが示唆された。
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© 2008 日本植物生理学会
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