日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
第49回日本植物生理学会年会講演要旨集
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シロイヌナズナ培養細胞系をもちいたPRRタンパクの分子機能解析
*中道 範人伊藤 昭悟山篠 貴史小山 時隆近藤 孝男水野 猛
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p. 0496

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抄録
PSEUDO RESPONSE REGULATOR 9(PRR9)、PRR7PRR5は概日リズムを生み出す生物時計の一部として冗長的に機能する。PRR9、PRR7、PRR5はCIRCADIAN CLOCK ASSOCIATED 1 (CCA1)とLATE ELONGATED HYPOCOTYL (LHY)のmRNAの発現を抑える役割をしているが、PRRの分子機能は理解されていない。
そこで我々は二波長ルシフェラーゼ測定法を用いて、生細胞のプロモーターの比活性を測定する系を構築した。PRR9、PRR7、PRR5のCFP融合タンパクを一過的にT87で発現させると、それらは優先的に核内に存在し、CCA1遺伝子のプロモーター活性を抑制することが見いだされた。またDEX-GRシステムにより、PRRタンパクのCCA1プロモーター抑制能は核局在が必須であることが分かった。さらにPRRと強制的な転写誘導ドメインVP16の融合タンパクは、CCA1プロモーターを活性化した。つまりPRRは直接的にDNAに結合できると考えられた。以上の結果より、PRRタンパクは核局在し、CCA1プロモーターを直接的に抑制化する機能をもつ分子であることが示唆された。
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© 2008 日本植物生理学会
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